第15回:紅彩編その1~モブ神王がんばる~
キャラクター紹介
紅彩くん
ライネくん
灯咲から紅彩へ
「おや? ライネさん、どうしてここに?」
「『前回』のお詫びにね。まあ、別の周回の話だから、あなたは覚えていないだろうけど……」
「……?」
「あんまり気にしないで。それよりも紅彩、はじまるわ」
「えっ……。はじまる、って、何がです?」
「神暦大戦よ」
目指せ封印回避
「うぅ……戦争ですか。あまり気は進みませんが……」
「でも紅彩国も私の灯咲国と大して変わらない弱小国だから、戦わなかったらあっという間に滅亡しちゃうわよ」
「滅亡……封印……地下幽室……うっ、頭が……」
「残念だけど、地下幽室行きを避けたいなら戦わなくちゃ」
「……仕方ありませんね」
「まず初期配備の月人を選択しましょう。第二世代型と第三世代型がいるけど……」
「第三世代型にしましょう! 十二星座モチーフですし!」
「そういえば星が好きなんだっけ、紅彩」
「はい。今*1はおとめ座の期間なので、パルテノスちゃんにしましょうか」
「でもパルテノスだと、才能の『遠洗』が配下のベガと被っちゃうわね。変えておいた方が良いんじゃない?」
「そうですね……それでは、余っていた『青龍』の遺伝子を、えいっ」
「月人の才能は遺伝子抽出できないから、うっかり超レアな才能遺伝子を使わないように気をつけてね」
ありがとうパルテノス
「パルテノスちゃんのおかげで、総兵力が2000に増えました」
「さらに徴兵もして、と」
「すごい……初期配備では1200だった総兵力が」
「あっという間に2900。これだけあれば、十分に序盤から攻めていけるわね」
「せ、戦争ですか……うまくやれるでしょうか」
「戦術値にボーナス全部振ってるし攻城値も元からそこそこあるし、わりとなんとかなると思うわよ?」
「やれるだけはやってみますけど……」
いつものやつ
「というわけで、いつもの時報をはさみつつ」
「リシュさーん!」
「時は流れて神暦305年、紅彩国の子孫がはじめて元服したわ!」
「ぱちぱちぱちー」
「最初の一人には当然『双子』の才能遺伝子を融合! そして二人目は、もともと持っていた才能に『ある才能』を融合して、レア才能『源霊』を作成!」
「一人目には、今後の我が国の発展を願い、『いて座A*(エースター)』と命名」
(愚民とはいえ人に付ける名前じゃない気がする……)
「二人目には、豊穣の女神の名を冠した準惑星に因み、『ケレス』と命名しました」
「子孫武将の名前は星縛りでいくの?」
「星好きはわたくし紅彩神王の数少ない個性なので、このへんで活かしてみようかな、と……」
「あなた初代じゃ顔絵もなかったモブ神王だものね……」
あっ……
「そして翌年、子孫パワーで隣国のデフィス領ベルナに侵攻よ!」
「この時点でかなり順調に領土拡張ができていました。このターンでベルナを落とし、翌年にモンバルギでデフィス神王を破れば、アラナダ、陸奥の二つの領土もまるっと手に入りますね」
「同盟国の援軍は期待できないけど……まあなんとかなるでしょ!」
「あっ」
「あっ」
紅彩編その2に続く!
*1:プレイ開始時は9月19日でした
第14回:灯咲編その8~大要塞~
前回のあらすじ:最後の敵はデフィス
神暦344年
「神暦344年。灯咲国は全39の神国のうち、37国を占領。最後に残った神王、氷虎デフィスに対し、降伏勧告を行った。が、しかし」
「まさかの降伏拒否……」
「どうやら一度戦うしかないようだな」
「それじゃあまずは陸奥に侵攻するか……」
陸奥攻略戦
「ライネ、大変だ! デフィスがなぜ降伏勧告を突っぱねたのかわかったぞ! これを見ろ!」
「なに、ソウリュウ? 見ろって言ったって、ただの攻城戦じゃない。それも、敵武将は逃げ出したから城を攻め落とせばそれで終わりの簡単な――」
「全く簡単ではないぞ! 画面中央上の、城壁値をよく見てみろ!」
「城壁値60……ろくじゅう!? はぁ!?」
「凄まじい堅牢さだ……こちらは66000の兵を動員し、しかも平均攻城力31と非常に優秀だが、それでも今年中に落とせるかわからん」
「……この堅城があったから、デフィスも強気だったわけか」
「18ターンをかけて、味方の士気が尽きると同時、本当にギリギリのところで攻略に成功した! 『炎龍砕』の才能を持つ武将がいなければ、一年での攻略はまず不可能だっただろう」
「まさか最後にこんなものが待ってたなんてね……」
終結
「そして、翌年。頼みの綱だった要塞を失ったデフィスは、あっさりと降伏した」
「これで、ついに……」
「お前がこの世界の覇者だ、ライネ!」
「はー……やっと終わったのね。なんだか実感わかないわ……」
「苦節45年。雌伏の序盤、躍進の中盤、分断の終盤と、力押しに頼らない戦略ゲームらしい展開になったな!
まあ時間がかかった分、クリアスコアは少々控えめだろうが」
「たしかにね……ってちょっと待って! 推定やり直し回数1!?」
「ああ、それはだな。システムメニューからゲームの終了を選ばなかった場合にカウントされる数字だ。……ロード直後で何も操作していなかったとき、丁度電話がかかってきたプレイヤーがうっかり×ボタンで終了させたらしい」
「えー? ホントは狂ったようにリロードとかしてたんじゃないの?」
「『砂神の子孫繁栄があまりにも成功しないようなら、やっちゃうかもしれない』だそうだ」
双子パワー!
「次のこれは……才能遺伝子リスト?」
「その通りだ! 双子を大量生産して遺伝子抽出しまくったおかげで、2周目にして識別率43%に到達したぞ!」
「旧版をプレイしたときに融合進化の組み合わせを把握してるから、かなり効率よく進んだみたいね」
次回予告
「この調子で次のプレイでも識別率を伸ばしていきたいところだな! さて、どこの国でプレイするか……」
「うーん、こうして世界地図を眺めてみても、いまいちピンとくる国が――ああああっ!」
「うおっ、なんだライネ、どうした急に」
「わ、忘れてた……紅彩神王、うっかり封印した後かれこれ十年以上ほったらかしにしちゃってた! 開放しなきゃ!」
「しかしゲーム中には開放コマンドなど存在しないぞ」
「今はゲーム終了後!」
「それなら次回は紅彩神王を主人公とするか」
「そうと決まればさっさと行くわよソウリュウ! 待ってて紅彩神王!」
紅彩編に続く!
第13回:灯咲編その7~弱小国から世界帝国へ~
前回のあらすじ:砂神戦、はじまる
幸運の泉の精
「敵よりも良い装備を整え、敵よりも優位な陣形を保ち、敵よりも優秀な武将を揃え、敵の三倍の兵力を用意する」
「? ソウリュウ、何それ?」
「野戦必勝の極意、ってところだな」
「必勝って言うけど、相手が砂神の場合は?」
「最低条件、ってところだな。あとは運が良ければ――」
「――源霊ィィッ!!」
「うわっ、びっくりした!」
「見ろライネ! 源霊の神王、ヴァレムサークが持つレア才能『源霊』を持つ在野武将が仕官してきたぞ! これは運が向いてきている証拠だ!」
「それじゃあ風向きが変わる前に、ケリをつけるとしましょうか!」
分断戦略大成功!
「その後灯咲軍は、華限の戦い、伽羅の戦いでも砂神の軍勢を破り――」
「――神暦341年、ついに大陸の覇権を確固たるものとした!」
「振り返ってみると、最後まで決戦らしい決戦が無かったわね。アヴァリスも総兵力が五ケタを下回ることは無かったはずなんだけど……」
「戦略がうまく当たった証拠だ。数で勝る敵戦力に正面からぶつかるのではなく、分散させて少しずつ切り崩すことに成功したわけだな」
「あとは残敵掃討ね。クソ野郎二人に思い知らせてやる……!」
「前回のことまだ根に持ってるのかよ……」
ヴェイ・ルース、撃破
「ヴェイ・ルースもデフィスも、どちらも領土は2国だけ。35国を領有する私の敵じゃないわ!」
「単純な数だけでなく武将の質も、双子を活用した子孫繁栄を繰り返しただけあって圧倒しているな」
「ふふん、私の灯咲だもの。当然!」
「あっさり撃破だ!」
「予定通り! それで肝心のクソ野郎は……!」
「逃げられたな」
「ぐぬぬぬ……! こうなったらせめてデフィスの方だけでも、なんとしてでも!」
「なんとしてでも、身柄を抑えたいか?」
「当然!」
「なら……こういう手がある」
降伏勧告
「……降伏勧告?」
「そうだ。相手をこちらの従属国にする。永遠に顎でこき使ってやるわけだ!」
「へぇ……悪くないじゃない。それ、どうすればいいの?」
「相手との戦力差が重要だな。パワーを見せつけて従属を要求するわけだ」
「じゃあとりあえず経済力にモノを言わせて……と」
「領土2国、総兵力4040人の国相手に用意する軍じゃねぇな……」
「ま、でもこれだけあれば十分でしょ?」
「十分すぎるくらいだな」
「それじゃあ早速――」
「――は?」
(ガッツあるなぁ、デフィスの奴……)
灯咲編その8に続く!
第12回:灯咲編その6~ライネくん振り回される~
前回のあらすじ:砂神陣営崩壊!
ともだちになろうよ
「神暦336年、アヴァリス打倒のため、灯咲国は対アヴァリス戦線の構築に動き出した!」
「ところでソウリュウ。同盟交渉って何を持っていけばいいの?」
「ん? ああ、支配国数に見合った金品だな。今の灯咲の豊富な経済力からすればカスのようなものだ! 派手に金を贈って同盟を打診してみろ!」
「わかったわ。……ねえデフィス、提案なんだけど」
「……」
「……」
「同盟、断られたな」
「えぇ……なんで……?」
「まあ仕方ない、こういう時もあるさ。……あまり落ち込むな、ライネ」
「そ、そうね。相手はこのクソ野郎だけじゃないんだし、切り替えていかないと」
(クソ野郎……)
「次はリヴァスか……久しぶりねヴェイ・ルース。さっそく提案なんd」
「……」
「……」
「……お、おいライネ、あまり気にするな。こういうときもあ――」
「ああああ! あいつら絶対にぶっ潰してやるんだからーっ!!」
恋愛巧者……?
「――ん? いや待てライネ! これを見ろ!」
「……は?」
「同盟を締結したいそうだが……あ、デフィスのところからも来たぞ」
「…………はぁぁ!? なんなのこいつら!? さっきは断ったくせに!」
「リツキから聞いたことがある……愚民の間では、意中の相手に一度だけ冷たくすることで逆に自分を意識させるという恋愛テクニックがあると……!」
「国際関係でそんなことするなぁっ!!」
対アヴァリス戦線形成
「まあ、何はともあれ……」
「灯咲、リヴァス、アラナダの三国同盟締結! これで、砂神戦の準備は整った!」
「なんか釈然としないけど……あとはアヴァリスの軍と戦うだけね」
「いや、それは待った方が良い」
「え?」
「地図を見ろ」
砂神の倒し方
「ええと、現在アヴァリスの主力はモンバルギにいるのよね。だったらその隣の堯舜を制圧すれば、いい感じに領土を分断できるんじゃないの?」
「悪くない手だが、相手は砂神だ。モンバルギにいるアヴァリス本人が増援に駆け付けてきたら、容易には勝てん。ここは砂蛇を攻め、アヴァリスには華限を攻めさせる」
「華限を? ……そうか、敵の主力を分散させるのね」
「そうだ。ちなみにこれが翌年、アヴァリス軍を分散させた後の図だな」
「敵の戦線が伸び切ってる。今なら堯舜を攻めても、敵は最大で6人の武将しか戦えないってわけね」
「そうだ。……行くぞライネ! お待ちかねの対砂神戦だ!」
「相手はたったの三部隊、別動隊も用意できてない……それに対してこっちは援軍としてヴェイ・ルースのリヴァス軍も期待できるし、これなら勝てる!」
「あー、ライネ。その件なんだがな」
「? 何かあったの?」
「ヴェイ・ルースに援軍要請を出し忘れていた」
「プレイヤーのバカー!」
「まあ安心しろ。これでも勝てる」
「援軍要請忘れはヴァジアルサーガあるあるだけどね……何もこんなタイミングでやらなくても……」
「よりにもよって砂神戦だったからな。プレイヤーも正直ヤバいと思ったそうだ。……さて、次回はいよいよこの戦いにケリを付けるぞ!」
灯咲編その7に続く!
第11回:灯咲編その5~最強陣営崩壊す~
前回のあらすじ:四大国戦争、最初の脱落者はミル・フラート
神暦330年代
「神暦329年。ミル・フラートの軍勢を破ったライネ・灯咲は、勢いに乗じて砂神アヴァリスとの同盟を破棄。ギルス、龍戒への侵攻を以って、戦端を開く」
「奇襲を受けたアヴァリスは国境沿いに軍を配置。しかし覇帝ソウリュウとの戦いの最中であり、戦線は薄く広がらざるを得なかった……」
「というわけで、神暦330年。いよいよここからラスボス戦、砂神アヴァリスとの戦いだ!」
「地図の上ではほぼ互角の勢力分布に見えるけど……実際はけっこう差があるのよね」
「ライネ・ソウリュウ同盟はあわせて19国を領有。一方アヴァリスは18国を領有し、さらに従属国がふたつ。この点、わずかにアヴァリス側が優位であるものの、ほぼ互角と言っていいだろう」
「一方総兵力は私達が合わせても20000に届かないのに対して、アヴァリスは一国で33000を超えている……ちょっとまだ勝てる気がしないわね」
「陣形、装備の研究は灯咲の圧勝だが……これだけの兵力差と『砂神』の才能を覆せるだけの力は無い」
「でも兵の配置ならこっちに分があるわよ。もう一度地図を見て」
「確かにな。アヴァリス側の武将(茶色の領土の上にある赤い旗)は各地に分散配備されている……こちらの兵力を一点に集中すれば、局所的な数的優位を得ることが可能というわけだ!」
「それに、情報力で勝っているのは明確な優位点よね。相手の攻撃先に効率よく兵を配置してうまくいなしながら、なんとかアヴァリスの領土を削っていくことができれば、形勢は逆転する」
「……方針は決まったようだな」
「ええ。ソウリュウ、悪いけどあんたを囮に使わせてもらうわ」
さらばソウリュウ
「さて、神暦333年。灯咲国は大陸東部の駐留武将がいない、もしくはごく少数のアヴァリス領を狙って侵攻。複数国の奪取に成功した!」
「けれどそれは、アヴァリスの主力が存在する西部をほったらかしにしていた、ということでもあったわ。その結果ソウリュウは……」
「なんとか三年は逃げ回ったぞ……」
「もうちょっと粘ってほしかったんだけど」
「無茶言うな相手は兵力五桁の砂神だぞ! それに、これだけ時間が稼げれば十分だっただろう?」
「ええ、おかげで形勢は逆転したわ」
アヴァリス陣営、崩壊
「防御の手薄な領地を奪って回り、アヴァリスの国力を削った結果……神暦335年、アヴァリスの支配下にあったヴェイ・ルースとデフィスが相次いで離反! アヴァリス陣営は崩壊した!」
「この二国と同盟できれば……」
「ああ、対アヴァリス戦線の完成だ!」
「同盟が上手くいけば、アヴァリスに対して三か国連合軍で戦うことができるわね!」
「ああ。そうなれば砂神が相手でも互角以上の勝負ができるだろう!」
「見えてきたわ……勝利への道が……!」
灯咲編その6に続く!
第10回:灯咲編その4~かわいそうな紅彩くん~
前回のあらすじ:ライネ・灯咲、立つ
四大国時代、突入
「神暦323年、世界は四大国時代に突入した!」
「最大勢力は北方の覇者、アヴァリス。続いて南部、ミル・フラートのネミスと……」
「西部を押さえているのが、この覇帝ソウリュウ率いる龍戒国だ! なお、アヴァリス・ネミス連合軍と戦争中だぞ!」
「そして……私の灯咲は、その三国すべてと同盟中だった。けれどミル・フラートとの同盟を解き――」
「――神暦327年、ついに敵領土の分断に成功」
「一方俺様は順調にアヴァリスにボコボコにされているな。国力で劣っているうえに相手が砂神では無理もないが」
「むしろ意外としぶといくらいよね」
「フッ。『覇帝』の名は伊達ではないということだ!」
礼儒の戦い
「全軍を率いて、ミル・フラートに決戦を挑むわ」
「ここで勝てば王手だな。次のターンで勝負がつく。だが、こういう時に意外と手こずったりするものだ……油断は禁物だぞ、ライネ」
「当然」
「勝って当然の戦力差だが、籠城戦に持ち込まれると少し厳しい。野戦でできるだけ数を減らしておきたいところだな!」
「欲を言えば殲滅しておきたかったけど……」
「戦略目標は達成したと言っていいだろう。これでミル・フラートには逃げ場が無くなった。翌年でケリが付く」
ネミス、滅亡
「ケリがついたわ。……ちょっと危なかったけど」
「最後の籠城で意外と粘られたな。シャリの城の城壁がもう少し厚かったら、攻めきれないところだった」
「ともあれこれで私の勝利は……あら?」
「紅彩神王か。どうやらミル・フラートに敗れた後、奴の配下になっていたようだな」
「仕官してきたのか……うーん……」
「なんだライネ、何か思うところでもあるのか?」
「別にそんなことはないんだけど。ただ、ほら、今うちの国には優秀な子孫武将がたくさんいるでしょ?」
「わざわざ配下に加えることもない、ということか」
「そういうこと。だから、今回はご縁が無かったということで……」
「は? 紅彩神王、地下幽室に封印……?」
「え? ……ええっ!?」
「ライネお前……やっぱり紅彩神王のこと……」
「えっ、いや、ちがっ……私そんなつもりじゃ……ち、違うのよソウリュウ! 私はただ、臣下に加えるかって聞かれたから、ノーって答えただけで! 違うんだってば!」
「あー、うん、わかってるわかってる。わかってるぞライネ、わかってるとも」
「それ絶対わかってないじゃない!」
「なにはともあれ、これでミル・フラートは全ての領地を失い、ネミスは滅亡したわけだ。四大国時代も短かったな」
「うぅ……ごめん、ごめんね、紅彩神王……できるだけ差し入れに良いモノ持ってくから許して……」
「このゲーム、封印した神王を開放するコマンドは無いからなぁ……」
灯咲編その5に続く!
第9回:灯咲編その3~反逆のライネ~
前回のあらすじ:灯咲はぬくぬく内政中
たのしい内政タイム
「見ろライネ! 双子の力で子孫が増える増える! 武将リストが埋まる日も近いな!」
「兵力は仕官してきた浪人が連れてきた三十人しかいないけどね……」
「そこは気にするな。毎年の税収も上がってきているだろう?」
「ええ、国は確実に発展してきてる。収穫高はもう最高値よ」
「武将総出で領地開墾しまくっただけのことはあるな。しかも『断食』持ちの子孫が生まれたおかげで、毎年豊作だ!」
神暦318年
「あっという間に神暦318年……ずっと内政に専念し続けてきたおかげで、この国も豊かになったわ。もう誰にも弱小国とは呼ばせない……!」
「ああ、灯咲は相変わらず領国はひとつだけだが、情報、陣形、装備の三大研究分野においては、現状世界トップクラスだ。
金も溜まってきたし、はっきり言って現支配国であるギム・ザイファのトランベルよりは間違いなく強い。……ここらで勝負に出てみるか」
「でもどうせなら、陣形と装備は最大値(50)まで上げてしまってもいいんじゃない? 敵はギムだけじゃないんだし……」
「ところが国際情勢というものがある。現状、世界はアヴァリス、ミル・フラート、そしてこの俺、ソウリュウの三大国時代と言って良いのだが……これを見ろ」
「アヴァリスの外交状況? ……なるほど、西方の二大国と同盟を結んでるのね。それで、東に残ってる小国を吸収しに来てるのか……」
「そして灯咲も、その『東方の小国』のひとつだ。つまりこのままいけば、十中八九灯咲はアヴァリスに蹂躙される。故に、ここで動く。と言っても、とれる手段は限られるがな」
「ええ。従属国に外交権はないわ」
「そうだ、それが問題だ。この問題を解決するにはどうする?」
「……速やかに独立して、大国との同盟を結ぶ。トランベルに絶縁状を送る日が来たみたいね」
「わかってるじゃないか、ライネ」
ライネ立つ
「ギム・ザイファ殿。貴国が『守護税』の名目で我が国より搾取してきた金……なにも今すぐすべて返せとは言わないわ。そのかわり――」
「――国を、頂きます」
「これで灯咲も4国を領有する中規模国家だな!」
「とはいえまわりは大国ばかり……今は同盟できてるけど、油断すると即死よ即死。ソウリュウ、何か策はないの?」
「アヴァリスとの戦争は絶対に避けろ。ミル・フラートの軍や俺様の軍はまだしも、奴には勝てん。今は機を待ち、勢力伸長のタイミングを逃すな」
四大国時代
「ソウリュウ。たった今、アヴァリスがソウリュウとの同盟を解消したそうよ。……なんだかややこしいわね、これ」
「チッ……癪だが大軍を抱えた砂神が相手では、いかに俺様の龍戒軍といえど敵わんだろうな」
「ねえ、もしかしてだけど、あんたのところが滅んだら、次に狙われるのは……」
「お前か、ミル・フラートか……いずれにせよ、そうなればアヴァリスには勝てん。今のうちにミル・フラートを叩くしかないな」
「……ミルとの同盟を解消するわ」
「これで四つ巴の戦争だな! 次回からはいよいよ本格的な戦争だ!」
灯咲編その4に続く!
第8回:灯咲編その2~双子最高~
前回のあらすじ:灯咲は弱小従属国だった
今回の主目的
「子孫繁栄! 子孫繁栄!」
「ちょっとテンション高すぎて気持ち悪いんだけど……」
「何を言うライネ! ついに『双子』の才能がその力を見せるときがやってきたのだ! これでテンションの上がらない神王はいない!」
「いや正直その……ちょっと引く感じなんだけど……」
「早速組み合わせを確認だ!」
「あっ、見てソウリュウ! けっこう良い感じの能力よ!」
「微妙だ……」
「は?」
「我が龍戒基準で考えるとどうもなぁ……たしかに悪くはないんだが……この能力に賭けて成功率70%は……いや……ううむ……」
「ほいっと」
「あ、おいライネ!」
「灯咲国は人材不足が深刻なの! 高確率で数を増やせるほうを取るわ!」
「むぅ……仕方ないか」
「見て、ソウリュウ! 子孫が二人生まれてる! 双子よ!」
「これが双子の才能の効果だ! 誕生する子孫が『必ず』双子になるぞ!」
「冷静に考えると凄い能力よね……」
嵐を呼ぶオッサン、来る
「そんなこんなで、神暦305年」
「もう五年も経ったの?」
「隣国のギムとシュンケイが無駄に一進一退の攻防を続けてちっとも情勢が動かなかったのだ……が、しかし」
「なんか知らないオッサンが来たわね」
「一応同僚(神王)だぞ……まあ俺もあまりこいつは印象に残っていないんだが……」
「こいつの『王信』ってどんな才能なの?」
「従属国が離反しにくくなる」
「うちじゃ無意味じゃないの!」
「しかしこのオッサンの登場をきっかけに……」
「あっ、ギムが勝った」
「これでついに灯咲国は、国境すべてをギム・ザイファのトランベルに囲まれたわけだ。これからは外敵に攻め込まれる心配もなく、内政に専念できるぞ! もちろん内政だけではなく……」
「子孫繁栄も、でしょ?」
「その通りだ! 双子の才能で武将をガンガン増やしまくり、戦力が揃ったところでギム・ザイファの領土を後ろから奪い取る! それが灯咲プレイの基本戦略だ!」
「なるほど……つまりここからが本番ってわけね」
「その通りだ。力を蓄え、蓄えた後は素早く勝負を決めに行く!」
「ま、強いて問題をあげるとすれば――」
「――今のうちの兵力が、スッカラカンってことよねぇ……」
灯咲編その3に続く!
第7回:灯咲編その1~従属国の悲哀~
キャラクター紹介
ライネくん
ソウリュウくん
龍戒から灯咲へ
「お久しぶりですね、ソウリュウ殿。今回はいったいどのようなご用向きで――」
「あー、堅苦しいのはよそうぜ、ライネ。今回はあくまで私的な訪問だからな」
「――あ、そう。それなら……いや、ちょっと待って。私的な訪問? 正直、その方が困るんだけど……なに、今回はいったいどんな厄介ごとなわけ?」
「いや、簡単な話だ。双子の才能遺伝子が欲しい」
「は?」
灯咲ってこんな国
「灯咲。ギム・ザイファ率いるトランベルに保護され、従属している大陸南東部の小国……その最大の特徴は、配下に『双子』持ちがいることだ!」
「もっとマシな特徴がいくらでもあると思うんだけど」
「ふむ……そうだな。強いて言うならば、国土は貧しく、人材に乏しく、神王の才能もゲーム開始時点では全くの役立たず……」
「喧嘩売ってる?」
「しかし、それを補って余りある魅力が『双子』の才能にはあるのだ!」
「そんなに良いものとは思えないんだけど。単騎戦闘力補正もゼロだし」
「いやいや、才能遺伝子を集めたいプレイヤーにとって、双子の才能は本ッッッ当に重要なのだ。今回はなんとしても、お前の配下の来咲に双子を量産してもらうぞ!」
たのしい初期設定
「それじゃあ始めていくけど……能力値はやっぱり戦術全振りよね」
「ああ、そして今回は2週目だから、前回配下にした戦闘タイプの月人を一人、初期配備に追加可能だ!」
「誰にするのがいいの?」
「最強はアクエリアスで間違いないが、前回登場していないから、今回は選べない。ここはレオンを選んでおくといい」
「えっ、この子600も兵を連れてる! すごい! 総兵力が一気に倍近くになったわ!」
「お前のところは元が少なすぎるんだよ……」
従属国はつらいよ
「それじゃあ、さっそくはじめていきましょうか」
「まずは最初に……おっと、イベントフェイズで守護税の徴収か」
「はたらけど はたらけど猶 わが神国 楽にならざり ぢっと手を見る」
「こうして見ると小国は大変だな。俺は支配する側だったから気にしたこともなかったが」
「くぅぅっ……! いまに見てなさいよ……!」
「さて、次は内政だが、こちらは特に従属国でも制限はない。問題は外交だな」
「何もできないのよね。そのうえ……」
「おいライネ、ギムのところから使者が来たぞ」
「はぁ……今年の軍役も辛いわ……」
「まあそう落ち込むこともないだろう。勝利すれば、戦利金も分配されるんだ」
「仕方ないか……気は進まないけど準備しなくちゃ……」
時報
「俺様が神暦300年をお知らせするぜ!」
「ギムの奴も希泉を占領したか……おっ、良かったなライネ。金165くれるってよ」
「悔しいけど小国にはありがたいのよね……うう、情けない……」
「さてと、今回はこのへんにしとくか。次回はいよいよお待ちかね、子孫繁栄の時間だ!」
灯咲編その2に続く!
第6回:龍戒編その6~ソウリュウくん大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!~
前回のあらすじ:大☆勝☆利
さらば、ギム・ザイファ
「神暦319年、我が軍は堯舜を占領しました」
「そして神暦320年。迦沼、ギルス、砂蛇を占領。我が軍は分断された敵を殲滅し、結果……」
「領土が増えたよ!」
「やったねリツキくん!」
「というわけで、こちらが神暦321年の勢力図です」
「圧倒的じゃないか我が国は!」
「そうですね。もうほとんど勝ったも同然です」
「ここまでくると、勝つか負けるかよりも『どう勝つか』の戦いになってくるな」
「残りは対ギム・ザイファ戦で共に戦った想武様と、どさくさに紛れて領土を増やしたライネ様ですか。……複数拠点に同時侵攻して、さっさと終わらせますか?」
「いや、ここは堅実に行くぞ。まずは想武から潰す」
やべーやつが来た!
「ソウリュウ様、なんかやたらと有能な武将が仕官してきましたが……」
「げぇっ! 魔鏡! リヴァスの神王ヴェイ・ルースが持ってるレア才能じゃねぇか! ……あー、もうそんな時期なんだな」
「時期、というと?」
「終盤になってくると、さも『さっさとクリアしろ』と言わんばかりに強力な在野武将が出てくるんだよ。……まあ、敵国に仕官してる場合もあるがな」
「登用しますか?」
「ああ。魔鏡は強い。特に終盤はな。あとはちょいと兵力再編するぞ」
「子孫武将は侵攻用として兵数1000程度に、月人武将は防衛用として最大まで兵数を盛りました」
「それでいい。侵攻時には出兵費がかかるし、兵数が相手よりも多すぎると、野戦時に『奇襲』を受ける危険性が出てくるからな。
他国に攻め込む武将は兵数を抑えて、逆に籠城戦を行う武将は、できるだけ兵数を増やしておくぞ」
想武攻略
「フッ。この覇帝ソウリュウ相手に良く戦ったと褒めてやろう。地下の幽室で永遠の余生を楽しむがいいハーッハッハッハ!」
「あの、ソウリュウ様。楽しそうなところ申し訳ないのですが……」
「あ? 何だリツキ」
「想武様、逃げられちゃいました」
「……」
ライネ攻略
「フッ。最後まで生き残った褒美に、次回のプレイヤー国家にしてやろう。だが今回は地下の幽室で永遠の余生を楽しむがいいハーッハッハッハ!」
「あの、ソウリュウ様……」
「おい待てやめろリツキ」
「あああああ!!」
「えーと、というわけで……神暦328年」
龍戒の神王・覇帝ソウリュウ 全神国を統一す
「なんだか最後の最後に不完全燃焼な感はあるが………ついに完全制覇だ!」
「終わってみればごく普通のプレイでしたね」
「一番真っ当なヴァジアルサーガの楽しみ方ができたな!」
次回予告
「それで次回は……ライネ様の灯咲国でプレイするんですか?」
「ああ。実を言うと、今回のプレイでは最重要才能である『双子』を回収できなかったからな。初期配置で双子持ちがいるライネでプレイする」
「ということはソウリュウ様とは今回でお別れですか……次回からは私とライネ様で頑張りますね」
「いやお前がライネと交代らしいぞ」
「は? ソウリュウ様がリストラじゃないんですか?」
「あ? んなわきゃねぇだろ」
「外伝ボイスドラマで私に負けたソウリュウ様がリストラじゃないんですか?」
「……」
「……」
「言いやがったなリツキ! 上等だかかってこいや!」
「第二次神暦大戦開幕ですよソウリュウ様!」
灯咲編に続く!
第5回:龍戒編その5~決戦、皇陽の戦い~
前回のあらすじ:さあ盛り上がってまいりました
神暦318年 皇陽の戦い
「それではソウリュウ様、現在の我が国周辺の状況を報告いたします」
「ああ」
「まずは、統治国数17、ギム・ザイファ様。総兵力は約37000。主力は現在、迦沼にあります。我々とは同盟を結んでおり、想武様と敵対中です」
「目下我が国最大のライバルだな」
「次に、統治国数4、想武様。総兵力約10000。我々とは同盟を結んでおり、ギム・ザイファ様と敵対中です。主力はハイネルにいますね」
「最後に我が龍戒は主力を源霊に展開中、というわけだな」
「はい、総兵力は30000です」
「そして、この三勢力の主力が全て行軍可能な場所が――」
「――この、皇陽だ」
「ここが決戦場になるわけですね」
「そうだ。……ギム・ザイファとの同盟を解消し、想武に援軍要請を出せ! 主力の全力で皇陽を奪い、同時に別動隊で雲雷を取る!」
「それでは……ぱぱぱぱぱうわー、どどん!」
「これでよし! 今年のうちに皇陽、雲雷を奪い、翌年に堯舜を押さえれば、ギム・ザイファの領土を分断できる!」
「領土の分断……敵方も同じことを考えているでしょうね」
「情報力ではこちらが勝っている。敵の侵攻目標を確認してから、ピンポイントで守備隊を動かすことが可能だ。
それに、ギルスなら取られても良い。かえって分断が楽に進むだろう!」
「それでは紺華に守備隊を置きつつ、主力を皇陽に、別動隊を雲雷に進めます」
「さて、奴は決戦に乗ってくるか……?」
「来ました! 敵、皇陽駐留軍、約7000!」
「すぐに迦沼から敵本隊の援軍が来るぞ! その前に叩けるだけ叩け!」
「敵の援軍が到着しましたが、既に士気崩壊寸前です!」
「……勝ったな」
「追撃戦で、敵兵に10000以上の損害を与えました!」
「ハーッハッハッハ! 我が軍の大勝利だ!」
「あっ、ソウリュウ様、別動隊も雲雷を陥落させたようです」
「これで皇陽、雲雷を押さえたわけだ。狙い通りだな!」
「あとは紺華の防衛戦ですが……」
「当然、こちらも勝利だ!」
「敵に3000以上の損害を与えました。我が軍の損害は軽微です」
「終わってみれば圧勝だな。我が軍の損害、1100に対して……」
「敵軍の兵力、20000以下に減少。17000以上の損害を与えました」
「ククク……これで趨勢は決したな! あとはじっくりと料理してくれよう、ギム・ザイファ!」
龍戒編その6へ続く!
第4回:龍戒編その4~これが戦略ゲームの醍醐味だ~
前回のあらすじ:ソウリュウくん、次の戦争相手をアヴァリスに決める
対砂神戦
「神暦311年、我が龍戒は砂神アヴァリス征伐のため、総兵力13400人を動員した! これは敵の3.5倍に相当する数だ!」
「でも勝てないんですよね」
「それな」
「これ以上攻撃を継続できません。全軍退却します」
「野戦では辛くも……本当に運よくギリギリのところで勝てたが、そこで息切れだ。籠城した相手を攻めきれなかった」
「これが『砂神』の力……三倍以上の数の差を一人でひっくり返してしまうなんてすごいですね」
「厄介な相手だ。だが、今の奴と俺では国力が違う。波状攻撃ですり潰すぞ」
「やりましたね、ソウリュウ様」
「なんとかアヴァリス領の制圧に成功したか」
「ではギム・ザイファ様と戦う前に、準備を整えておきたいところですね」
「ああ。そこでヴァレムサークの領土をまず頂いておこうとしたんだがな……」
神暦316年
「ヴァレムサーク様が、ギム・ザイファ様に従属しました」
「ヴァレムサークのいる源霊を攻めるため、隣の金沙に軍を集めたところだったのだが、これでは侵攻できん」
「え、やっちゃいましょうよソウリュウ様。派手にギム・ザイファ様に絶縁状でも叩きつけて……」
「まだ決戦には早い。現状、我々よりもギムの方が戦力は上なんだ」
「ではどうするんですか、ソウリュウ様?」
「少し待て。来年が勝負だ」
ありがとうムラマサくん
「刀神ムラマサ様の軍が源霊を攻め落としたようです」
「よし! ムラマサとの同盟を解消し、今度は我が軍が源霊を落とす!」
「ムラマサ様は現在、源霊に加えて、アヴァリス、リヴァス、ベルナ、アラナダの五国を領有していますが……見事に分断されていますね」
「ああ。そしてムラマサ本人は今、完全に孤立している源霊にいる。そこを我々が攻め落とせばどうなるか、ということだ!」
「鎧袖一触ですねぇ」
「当然だ!」
「あ、ソウリュウ様。ムラマサ様を捕らえたようです。あの方が持っている『刀神』もレア才能ですよね?」
「ああ、アレな。内政コマンドの『装備研究』が三倍の効果になる才能で、たしかに序盤なら強力なんだが……もうとっくに我が国の装備は最高値(50)だ。封印しとけ」
「かしこまりました」
「で、だ。神王が統治国を残した状態で玉座を追われると、残った国はどうなるかというと……こうなる」
「そっくりそのままいただけちゃうわけですね」
「そうだ。そしてこれで統治国数17、ついにギム・ザイファと並んだわけだ」
「なんだか戦略ゲームらしく盛り上がってきましたね、ソウリュウ様」
「ああ。こういう『どこをいつ攻めるか』で結果が大きく変わってくるのが、戦略ゲームの醍醐味だな。そして……次回はいよいよ決戦だ!」
龍戒編その5に続く!
第3回:龍戒編その3~これが第三世代型月人だ~
前回のあらすじ:龍戒は順調に領土拡張&子孫繁栄中
神暦307年
「ソウリュウ様。金沙を滅ぼした際に、やたらと能力値の高い武将を捕らえました」
「こいつは……第三世代型、戦闘タイプの月人!」
「関連作品のKILLZVALD(キルツヴァルド)〜最後の人間〜に登場するキャラクターですね。キルツヴァルドはヴァジアルサーガの後の時代を舞台とした作品で――」
「リツキ、その話は長くなるからやめておけ。ヴァジアルサーガでの戦闘タイプの月人は『能力が高いが、才能遺伝子の抽出ができない武将』と捉えておけばそれでいい」
「気になる方はキルツヴァルドもチェックしてみてくださいね」
シャリの裏切り
「あ? リシュなら1ターン目に配下にしただろ?」
「いえそっちではなく。シャリ神王が裏切りました」
「そうか、よし、殺す!」
「瞬殺ですね」
「シャリ如きに後れを取るこのソウリュウではない! とはいえ、この対応のために領土拡張が停滞してしまうのは、毎度のことながら歯痒い思いだ……」
「ソウリュウ様。そのシャリ様を捕らえたようですが」
「いらん! 捨てろ!」
「神王は捨てられませんよ」
「ならば地下幽室に封印だ!」
「はい、ソウリュウ様」
「これでよし!」
神暦310年
「神暦大戦の開始から、10年経って11年目になりました」
「ここからやっと戦略が楽しくなってくるな。
……さて、我が龍戒は現在9国を領有し、国境を接する四つの神国すべてと同盟を結んでいる」
(あっこれ話が長くなるやつだ……)
「北から順に、2国を有するアヴァリス、5国を有するヴァレムサーク、4国を有する想武、そして11国を有し、1国を従属させているギム・ザイファだ。
国境を接していない他の三つの神国とも、良好な関係を築いている」
「でもこのゲームに和平エンドなんてありませんよね?」
「そうだ。故に『誰から裏切っていくか』を考えていくことになるわけだが……この場合は、アヴァリスとギム・ザイファの二択に絞られる」
「他の二国は?」
「捨て置け、大した脅威にはならん。厄介なのはアヴァリスだ。あいつの才能は野戦において最強。領土が2国しかなく経済力に乏しい今のうちに叩いておきたい」
「ギム・ザイファ様は」
「こいつは現状における最大勢力だ。故にこれ以上成長する前に叩いておくというのも手ではある。しかし奴はライネを従属させている」
「従属国ですか。……終盤までに絶対裏切ってきますよね、これ」
「ああ。ほぼ間違いなく終盤でギムは裏切られる。その時が奴を滅ぼす最大のチャンスだ」
「では、今は」
「ああ。まずアヴァリスを潰す! 同盟解消だ!」
龍戒編その4に続く!
第2回:龍戒編その2~これがヴァジアルサーガだ~
前回のあらすじ:子孫第一号の才能に嫌な予感……
神暦305年
「ソウリュウ様、なんやかんやあって神暦305年になりました」
「そのなんやかんやがこのゲームのキモなんじゃねえの」
「それを解説してると記事の長さがとんでもないことになってしまいますので」
「これプレイレポートって呼んでいいのか?」
「あれ……ソウリュウ様、我が国の従属国だったギルスが我が国の領土になっていますが……ギルス神王はどこに?」
「ああ、かわいそうに隣国の礼儒に侵攻されてしまってな。すぐに取り返してやったのだが、このゲームでは一度神王の座を追われた者が神国を再興することはできないんだ。ああ、かわいそうに」
(……白々しいなぁ)
「というわけでギルスを滅ぼした悪しき礼儒を征伐だ!」
「その霊儒の神王、ロジュウ様を捕らえたようですが」
「登用しろ! 『祭神』の才能は強力だ!」
「敵対していた神王でも、臣下に加えれば絶対服従。武将の裏切りや反乱が一切発生しないのがこのゲームの特徴ですね」
「国同士の同盟や従属関係はすぐ裏切……ちょっと待てこれ前回もやらなかったか?」
「あっ」
子孫の才能が判明!
「お待ちかねの子孫繁栄フェイズだ!」
「あの、ソウリュウ様。たった今入った情報なのですが……」
「あっ」
「雷麗の才能は、『臆病』でした」
「……嫌な予感がしていたが、やはりそうだったか」
「このゲーム唯一のEランクかつネガティブ効果を持つ才能ですね」
「一発目からこれを引き当てるのはある意味レアな気がするぜ……」
「惜しいですね。せっかく能力の高い子孫なのに」
「そうだな。仕方ないから別の才能で上書きするぞ」
「えっ、記念すべき一人目の子孫の才能を?」
「最初から持ってる才能遺伝子が三つあるからな。今回はその中から『朱雀』の才能をこの子孫に封入する」
「配下のミイルが持っている『修羅』と相性が良い才能ですね」
「こうして才能遺伝子をやりくりして、最強の武将を作り、最強の家臣団を作るのがこのゲームの醍醐味なんだよな」
「雷麗はその第一歩というわけですね」
「ああ。才能も変えたし、このまま武将に昇格させるぞ。もう元服したからな」
「遺伝子操作で子孫は急激に成長するので、だいたい5年程度で13歳(元服可能年齢)になるんですよねこのゲーム」
「年齢の概念がぶっ壊れそうだ……」
「そして早速子孫繁栄」
「強い武将同士を掛け合わせて、強い武将を作り、さらに掛け合わせてより強い武将を作る。これがヴァジアルサーガだ!」
「倫理観とかないんですか?」
「神暦300年代の倫理観ならセーフだ!」
「そのあたり興味がある方は公式サイトの世界設定をご覧くださいね」
龍戒編その3へ続く!
第1回:龍戒編その1~これが神暦300年だ~
キャラクター紹介
ソウリュウくん
リツキくん
最初は龍戒でプレイ
一回目のプレイはオーソドックスに、パッケージイラストやらオープニングデモやら外伝やらでやたらと露出の多い神王、覇帝ソウリュウ率いる龍戒国を選びました。
立地、人材、経済力、あらゆる面で最強クラスのこの国は、ヴァジアルサーガにはじめて触れる初心者の方にもオススメです。
ちなみに、ゲーム開始時には案内役である「月人」を選ぶことができます。
この二人は外伝のStudioGIWボイスドラマシリーズでもおなじみですね。
それでははじめていきましょう!
神暦300年
「早速隣国の司啓を攻めるぞリツキ!」
「攻めるというかもう勝利していませんかソウリュウ様」
「おう、すぐに占領だ!」
「というか、内政や外交は……?」
「我が龍戒は強い! 雑に強い! 強すぎて語ることがない! ただ兵を進めるだけでも司啓が落ちるほどだ!」
「司啓の占領は神暦300年の時報みたいなものですものね。AI操作でもほぼ毎回即落城している気がします……」
「俺は2ターン目までリシュが残っているところを見たことがない気がする」
「そのリシュ様を捕らえたようですが」
「登用しろ! 『赤眼』の才能は強力だ!」
「敵対していた神王でも、臣下に加えれば絶対服従。武将の裏切りや反乱が一切発生しないのがこのゲームの特徴ですね」
「国同士の同盟や従属関係はすぐ裏切られるのにな……」
「あっ……」
ゲームの目玉
「内政、外交、行軍、合戦を経て、ついにやってきたぞ! このゲームのメインコンテンツだ!」
「何言ってるんですかソウリュウ様……ヴァジアルサーガのメインコンテンツは洗脳・搾取・虎の巻でしょう」
「いいや違うなリツキ。このゲームは90種類の才能遺伝子を集めることが真の目的と言っても過言ではない……」
「はあ……」
「多くの神王達が『砂神』の才能遺伝子抽出を夢見て時間を溶かしていった……」
「あっ、ソウリュウ様、さっそく一人目の組み合わせが決まったみたいですよ。強い武将が生まれるといいですね」
「まあ最初だしそうそう強い能力が揃うなんてことはないだろ。とりあえず一桁じゃなければそれで――」
「――強っ!」
「大当たりですねソウリュウ様」
「ああ! 記念すべき一人目でこれは幸先が良いぞ! この子には雷神の如き活躍を願って、『雷麗』と名付けよう!」
「オートで付けられた名前そのままじゃないですか……」
「旧版だと『子孫 No.01』とかだったよなぁ。武将リストに数字がズラッと並んでるのもあれはあれで趣があった……」
「そんなことより、生まれた子の才能を見に行きましょう、ソウリュウ様」
「そうだな、リジュラムの『竜騎』なんかを引き継げていれば最高だが……」
「赤色ということは、戦場用の才能ですね」
「おい待てリツキ……単騎戦闘力+1の才能ってたしか……」
「あっ」
龍戒編その2に続く!