第9回:灯咲編その3~反逆のライネ~
前回のあらすじ:灯咲はぬくぬく内政中
たのしい内政タイム
「見ろライネ! 双子の力で子孫が増える増える! 武将リストが埋まる日も近いな!」
「兵力は仕官してきた浪人が連れてきた三十人しかいないけどね……」
「そこは気にするな。毎年の税収も上がってきているだろう?」
「ええ、国は確実に発展してきてる。収穫高はもう最高値よ」
「武将総出で領地開墾しまくっただけのことはあるな。しかも『断食』持ちの子孫が生まれたおかげで、毎年豊作だ!」
神暦318年
「あっという間に神暦318年……ずっと内政に専念し続けてきたおかげで、この国も豊かになったわ。もう誰にも弱小国とは呼ばせない……!」
「ああ、灯咲は相変わらず領国はひとつだけだが、情報、陣形、装備の三大研究分野においては、現状世界トップクラスだ。
金も溜まってきたし、はっきり言って現支配国であるギム・ザイファのトランベルよりは間違いなく強い。……ここらで勝負に出てみるか」
「でもどうせなら、陣形と装備は最大値(50)まで上げてしまってもいいんじゃない? 敵はギムだけじゃないんだし……」
「ところが国際情勢というものがある。現状、世界はアヴァリス、ミル・フラート、そしてこの俺、ソウリュウの三大国時代と言って良いのだが……これを見ろ」
「アヴァリスの外交状況? ……なるほど、西方の二大国と同盟を結んでるのね。それで、東に残ってる小国を吸収しに来てるのか……」
「そして灯咲も、その『東方の小国』のひとつだ。つまりこのままいけば、十中八九灯咲はアヴァリスに蹂躙される。故に、ここで動く。と言っても、とれる手段は限られるがな」
「ええ。従属国に外交権はないわ」
「そうだ、それが問題だ。この問題を解決するにはどうする?」
「……速やかに独立して、大国との同盟を結ぶ。トランベルに絶縁状を送る日が来たみたいね」
「わかってるじゃないか、ライネ」
ライネ立つ
「ギム・ザイファ殿。貴国が『守護税』の名目で我が国より搾取してきた金……なにも今すぐすべて返せとは言わないわ。そのかわり――」
「――国を、頂きます」
「これで灯咲も4国を領有する中規模国家だな!」
「とはいえまわりは大国ばかり……今は同盟できてるけど、油断すると即死よ即死。ソウリュウ、何か策はないの?」
「アヴァリスとの戦争は絶対に避けろ。ミル・フラートの軍や俺様の軍はまだしも、奴には勝てん。今は機を待ち、勢力伸長のタイミングを逃すな」
四大国時代
「ソウリュウ。たった今、アヴァリスがソウリュウとの同盟を解消したそうよ。……なんだかややこしいわね、これ」
「チッ……癪だが大軍を抱えた砂神が相手では、いかに俺様の龍戒軍といえど敵わんだろうな」
「ねえ、もしかしてだけど、あんたのところが滅んだら、次に狙われるのは……」
「お前か、ミル・フラートか……いずれにせよ、そうなればアヴァリスには勝てん。今のうちにミル・フラートを叩くしかないな」
「……ミルとの同盟を解消するわ」
「これで四つ巴の戦争だな! 次回からはいよいよ本格的な戦争だ!」
灯咲編その4に続く!