第14回:灯咲編その8~大要塞~
前回のあらすじ:最後の敵はデフィス
神暦344年
「神暦344年。灯咲国は全39の神国のうち、37国を占領。最後に残った神王、氷虎デフィスに対し、降伏勧告を行った。が、しかし」
「まさかの降伏拒否……」
「どうやら一度戦うしかないようだな」
「それじゃあまずは陸奥に侵攻するか……」
陸奥攻略戦
「ライネ、大変だ! デフィスがなぜ降伏勧告を突っぱねたのかわかったぞ! これを見ろ!」
「なに、ソウリュウ? 見ろって言ったって、ただの攻城戦じゃない。それも、敵武将は逃げ出したから城を攻め落とせばそれで終わりの簡単な――」
「全く簡単ではないぞ! 画面中央上の、城壁値をよく見てみろ!」
「城壁値60……ろくじゅう!? はぁ!?」
「凄まじい堅牢さだ……こちらは66000の兵を動員し、しかも平均攻城力31と非常に優秀だが、それでも今年中に落とせるかわからん」
「……この堅城があったから、デフィスも強気だったわけか」
「18ターンをかけて、味方の士気が尽きると同時、本当にギリギリのところで攻略に成功した! 『炎龍砕』の才能を持つ武将がいなければ、一年での攻略はまず不可能だっただろう」
「まさか最後にこんなものが待ってたなんてね……」
終結
「そして、翌年。頼みの綱だった要塞を失ったデフィスは、あっさりと降伏した」
「これで、ついに……」
「お前がこの世界の覇者だ、ライネ!」
「はー……やっと終わったのね。なんだか実感わかないわ……」
「苦節45年。雌伏の序盤、躍進の中盤、分断の終盤と、力押しに頼らない戦略ゲームらしい展開になったな!
まあ時間がかかった分、クリアスコアは少々控えめだろうが」
「たしかにね……ってちょっと待って! 推定やり直し回数1!?」
「ああ、それはだな。システムメニューからゲームの終了を選ばなかった場合にカウントされる数字だ。……ロード直後で何も操作していなかったとき、丁度電話がかかってきたプレイヤーがうっかり×ボタンで終了させたらしい」
「えー? ホントは狂ったようにリロードとかしてたんじゃないの?」
「『砂神の子孫繁栄があまりにも成功しないようなら、やっちゃうかもしれない』だそうだ」
双子パワー!
「次のこれは……才能遺伝子リスト?」
「その通りだ! 双子を大量生産して遺伝子抽出しまくったおかげで、2周目にして識別率43%に到達したぞ!」
「旧版をプレイしたときに融合進化の組み合わせを把握してるから、かなり効率よく進んだみたいね」
次回予告
「この調子で次のプレイでも識別率を伸ばしていきたいところだな! さて、どこの国でプレイするか……」
「うーん、こうして世界地図を眺めてみても、いまいちピンとくる国が――ああああっ!」
「うおっ、なんだライネ、どうした急に」
「わ、忘れてた……紅彩神王、うっかり封印した後かれこれ十年以上ほったらかしにしちゃってた! 開放しなきゃ!」
「しかしゲーム中には開放コマンドなど存在しないぞ」
「今はゲーム終了後!」
「それなら次回は紅彩神王を主人公とするか」
「そうと決まればさっさと行くわよソウリュウ! 待ってて紅彩神王!」
紅彩編に続く!