第45回:リヴァス編その4~裏技~
前回のあらすじ:五年で従属国から最大勢力へ!
静観の構え
「……そろそろ力もついてきたし、いよいよ大きな戦になるのかな」
「で、あるな。狙い目は希泉。他の国境はすべて同盟国で固めておるし、なにより大陸東南部には小国しか存在しておらぬ。まずは潰せる相手から潰すべきである」
「大国の相手はその後、というわけだね」
敵将の殺意が高すぎる
「翌、神暦319年。リヴァス軍は希泉攻めの軍を編成した。子孫武将の強力な才能が並ぶ錚々たる陣容である」
「……ずいぶん、騎兵偏重だね?」
「相手のギム・ザイファの軍が剣兵偏重であるからな。カウンター兵種をしっかりと準備しておいた」
「……敵に羅刹と修羅があわせて五人もいるのが気になるんだけど」
「いずれも個人戦で敵を討ち取る確率が上がる才能……我が軍の将に犠牲が出ることを覚悟せねばなるまいな……」
「……レア才能持ちが討ち取られるのは嫌だな……」
裏技戦略……?
「さて、侵攻作戦を発動する前に、希泉を挟んだ隣国を治める刀神ムラマサと同盟を締結する」
「……え? 待ってよセイドウ。もう同盟国数は4で、ハードモードの上限いっぱい……」
「実はな、ヴェイ・ルースよ……さっきプレイヤーが裏技を見つけてしまったのである」
「……どうやったのさ」
「同盟国数が4カ国以上の場合、『同盟を結ぶ』コマンドは実行できぬ。そこで、『資金提供』コマンドを実行するのだ。……資金提供後の相手との関係が『良好』である場合、そこで自動的に同盟を結ぶ選択肢が表示されるのであるが……このとき、難易度による同盟国数の上限判定が抜けているようなのだ」
「……セイドウ、これってずる――」
「さあ征くぞヴェイ・ルースよ! いざ希泉!」
希泉の戦い
「戦神、修羅、羅刹、羅刹……なんとも殺意の高い軍勢だね」
「こちらも負けてはおらぬぞ。見よ!」
「これはひどい……」
「士気256! 攻撃修正3.4倍! 防御修正2.5倍! これが周回を重ねたプレイヤー勢力の力である! まさに圧倒的!」
「戦いにすらなってない……これじゃ虐殺だよ」
「しかし万が一、一騎打ちが発生していればどうなっていたかわからぬもの事実である。下手に手心を加えようとすれば、足下をすくわれるのが戦争なのだ」
リヴァス編その5に続く!