第46回:リヴァス編その5~逆境~
苦境の予感……
「……今回はタイトルが不穏だね?」
「うむ。神暦319年、我らがリヴァス軍は希泉での会戦に勝利したわけであるが……西側の情勢が不利になりつつあるのだ」
「堯舜と皇陽を領有していたゴート・メイサスが滅ぼされちゃった……」
「これにより我らリヴァスはアヴァリスと国境を接することとなった。そしてアヴァリス、リヴァスのどちらとも同盟を組んでいる紺華は……翌年に確実にどちらかに絶縁状を叩きつけてくる。この場合、おそらく狙われるのはリヴァスの方であろう」
外交的敗北
「というわけで神暦320年……東はもう放っておいても大丈夫だね」
「シャラとアヴァリスの同盟を相手に正面から戦うのは無謀であるから、せめてアヴァリスと同盟を結んでおきたい。しかし同盟国数が上限いっぱいであるので、ここは弱小勢力と化したキルマとの同盟を切る」
「そしてアヴァリスに同盟を打診……」
「そしてこの後、恐れていた事態が起こった」
「うぅ……」
「こうなっては致し方なし! リヴァス軍はこれまでの方針を撤回し、以後、モンバルギ以北の領土は放棄する!」
縮小戦略
「で、翌年にこうなったわけだけど……」
「うむ。狙い通りである」
「……本当に? 領土を大きく削られているみたいだけど」
「それがまさに狙いなのだ。国境線を縮小し、紺華とリヴァスとの接続を絶つ。このターンに紺華軍にリヴァスを、アヴァリス軍にベルナを占領させるよう誘導するのだ」
「……なるほど。そうすれば紺華は国境を接している国がアヴァリス領だけになるから……」
「必然、紺華・アヴァリス同盟は解消に向かうであろう。狙いはまさにそこにある」
「うまくいったみたいだね。僕らとシャラの間に、アヴァリスの領地が薄く伸びている……」
「うむ。見事にこちらの狙い通りの国境線が形作られた! そして――」
「――紺華・アヴァリス同盟解消である! リヴァスの逆境は好機へと変わり、逆にアヴァリスの命運は風前の灯火となったのである!」
「それでは次回、激動の巻……」
リヴァス編その6へ続く!