第16回:紅彩編その2~デフィスくんがんばる~
前回のあらすじ:うわ氷虎様つよい
第二次ベルナ侵攻
「神暦306年、我が紅彩国はデフィス領ベルナへの侵攻戦に敗北しました……」
「士気がゼロになったのは、どっちも同時だったから! 痛み分け! 痛み分けよ!」
「どっちでもいいですけど……それで、次はどうするんですかライネさん」
「国力はこっちが上! もっと多くの兵を集めて、再侵攻するわ!」
「総兵力5500……うう、出兵費が痛い……」
「大丈夫よ紅彩! 勝ってしまえば戦利品が見込めるんだから!」
「それじゃあいきますか……みんな、無理はしないでくださいね」
「あっ」
「シリウスーッ!?」
「そんな……『昇雷』に『剣聖』が負けた……?」
「ら、ライネさん!? 今うちのシリウスくんの首が飛びませんでしたか!?」
「嘘でしょ……個人戦闘力は100以上こっちが勝ってたのに……って、まずい、シリウスがやられたせいで陣形が!」
「あわわわ、そ、総崩れになるー!?」
「と、とりあえず撤退!」
第三次ベルナ侵攻
「うぅ……ごめんねシリウスくん……私の指揮がもっと良ければ……戦術値52の総大将でごめんね……」
「戦術値52でも今の紅彩国だとトップクラスなのが悲しいところね……」
「でも、次の年にとっても強そうな人が来てくれました!」
「よし! 聖騎士パワーで今度こそベルナ攻略よ!」
「あの、ライネさん。野戦で奇襲が使える条件って……」
「え? たしか総兵力が相手の四分の一以下の時……」
「……」
「……」
「……1270対6500は」
「だいたい、1対5ね」
「うわー!? 奇襲されるー!? みんな逃げて―!」
「戦術値52の総大将じゃ戦術値68の奇襲を防げな――」
「――防げたわね」
「や、やった! やっと運が向いてきた! みんな、この機を逃さないで!」
「流れは来てる! このまま城も攻め落とせば……!」
「あの、ライネさん、苦労して勝ったわりに、その、戦利金が……」
「ごめん紅彩……私にはどうすることもできない……」
モンバルギ侵攻
「まあ何はともあれ、これで氷虎デフィスをモンバルギに閉じ込めることができましたね」
「あとはモンバルギを落とせば、私達の勝利!」
「敵の倍以上の兵力を用意できました! これなら勝てるはず……!」
「野戦では勝ったけど、兵数の損害はあんまり大差ないわね……なんだか嫌な予感が……」
「あっ」
「二千以上の兵に篭られると、さすがに固いわね……攻めきれなかったか」
「なんだか妙に粘りますね、デフィスさん」
「仕方ない……来年もう一度攻めましょう。それできっとケリがつくわ」
第二次モンバルギ侵攻
「ケリ、つきませんでしたね」
「も、もう一度よ!」
第三次モンバルギ侵攻
「ダメでしたね。……前回前々回よりもさらにダメに見えるんですけど」
「んぐっ……! ま、まだまだ! 次こそは!」
第四次モンバルギ侵攻
「またダメでしたねライネさん。……ライネさん?」
「 」
「死んでる……」
紅彩編その3に続く!