第3回:龍戒編その3~これが第三世代型月人だ~
前回のあらすじ:龍戒は順調に領土拡張&子孫繁栄中
神暦307年
「ソウリュウ様。金沙を滅ぼした際に、やたらと能力値の高い武将を捕らえました」
「こいつは……第三世代型、戦闘タイプの月人!」
「関連作品のKILLZVALD(キルツヴァルド)〜最後の人間〜に登場するキャラクターですね。キルツヴァルドはヴァジアルサーガの後の時代を舞台とした作品で――」
「リツキ、その話は長くなるからやめておけ。ヴァジアルサーガでの戦闘タイプの月人は『能力が高いが、才能遺伝子の抽出ができない武将』と捉えておけばそれでいい」
「気になる方はキルツヴァルドもチェックしてみてくださいね」
シャリの裏切り
「あ? リシュなら1ターン目に配下にしただろ?」
「いえそっちではなく。シャリ神王が裏切りました」
「そうか、よし、殺す!」
「瞬殺ですね」
「シャリ如きに後れを取るこのソウリュウではない! とはいえ、この対応のために領土拡張が停滞してしまうのは、毎度のことながら歯痒い思いだ……」
「ソウリュウ様。そのシャリ様を捕らえたようですが」
「いらん! 捨てろ!」
「神王は捨てられませんよ」
「ならば地下幽室に封印だ!」
「はい、ソウリュウ様」
「これでよし!」
神暦310年
「神暦大戦の開始から、10年経って11年目になりました」
「ここからやっと戦略が楽しくなってくるな。
……さて、我が龍戒は現在9国を領有し、国境を接する四つの神国すべてと同盟を結んでいる」
(あっこれ話が長くなるやつだ……)
「北から順に、2国を有するアヴァリス、5国を有するヴァレムサーク、4国を有する想武、そして11国を有し、1国を従属させているギム・ザイファだ。
国境を接していない他の三つの神国とも、良好な関係を築いている」
「でもこのゲームに和平エンドなんてありませんよね?」
「そうだ。故に『誰から裏切っていくか』を考えていくことになるわけだが……この場合は、アヴァリスとギム・ザイファの二択に絞られる」
「他の二国は?」
「捨て置け、大した脅威にはならん。厄介なのはアヴァリスだ。あいつの才能は野戦において最強。領土が2国しかなく経済力に乏しい今のうちに叩いておきたい」
「ギム・ザイファ様は」
「こいつは現状における最大勢力だ。故にこれ以上成長する前に叩いておくというのも手ではある。しかし奴はライネを従属させている」
「従属国ですか。……終盤までに絶対裏切ってきますよね、これ」
「ああ。ほぼ間違いなく終盤でギムは裏切られる。その時が奴を滅ぼす最大のチャンスだ」
「では、今は」
「ああ。まずアヴァリスを潰す! 同盟解消だ!」
龍戒編その4に続く!